ユンカース・カム・ヒア

1995年劇場公開。原作が1989年に書かれた物だけに、主人公の暮らしなどが非常にバブリー。しかし“輝かしい日常に落ちる影”は既に90年代的であるが、それも含めてファンタジックな作品である。

監督は佐藤順一さん。
フィルムの仕上がりはまるで高畑勲作品。
もっと突っ込んで言うと「おもひでぽろぽろ」を相当意識している(はずだ)が、そのフォロワーで終わらせてしまうには実に惜しい作品である。

パイロットフィルムのキャラデ・作監が大平晋也さん。
これがまた、明らかに大平晋也爆発といった塩梅で(思わず笑ってしまうくらいだが)、独特のヌメっとした作画でグリグリ動かしている。
が、大平さんの手が遅かったらしく(これだけ動かしていたら本人の手の遅さ云々ではなく物理的に難しいと思うが)、劇場版では故・小松原一男さんがキャラデ・総作監を担当している。
ちなみにED用のアニメを丸々1カット処理で大平さんの原画でやるつもりだったが、これも結局完成に漕ぎ付けず、本編の映像を差し込んだものになっている。
噂では「崖の上のポニョ」に参加しているんだとか。
大平さんの生原画見た事なんて当然ないんだけど、動画と仕上げはニュアンスが判る人じゃないと相当難しいのではないでしょうか。線をどう拾うかで、全く仕上がりが別物になるでしょう、明らかに。

物語の終盤、主人公・野沢ひろみがようやく両親に自分の気持ちを吐露するシーンは小田川幹雄名義の磯光雄さんの原画。
氏は、あえて言う必要もないが、エヴァ劇場版の弐号機と量産機の格闘シーンやポケ戦第一話冒頭の戦闘シーンなど、荒々しいアクションとエフェクトを作画する一方で、本作の“微妙なニュアンスの芝居”を丁寧に作画する事もやってのけてしまうのには舌を巻く(どちらも“緻密な作画”である事には違いないのだが)。この辺の仕事ぶりは、現在の「電脳コイル」に通じるものがある。

ユンカース役の古本新乃輔は芝居が終始、凛凛しい。
同じ動物である「クマのプー太郎」の声を当ててるとは到底思えない(笑)

2007年10月03日 アニメ トラックバック:0 コメント:0

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